めだかの飼育方法について
私は日本で最初に2010年、改良めだかの専門飼育書を執筆しました。
基本の飼育方法は当然他のアクア専門書と変わりませんが、日本めだかだけに特化したものであり、自分の実体験そのものを落とし込んだことや、めだかやドットコム運営に於いて出会った人たちからの体験を集約した『めだか専門書』として、めだか飼育本の元祖と言われます。
それ以降、繁殖術や遺伝について、今ではバクテリアの仕組みの考察と、世界中のアクアリストが追い求める自然浄化水槽の実現に向けて日々めだか飼育を楽しんでいます。
100%自然と同環境を作り上げる事は当然ながらあり得ません。
しかし、科学性を以て理論だてることは可能です。
当時は1人でしたが、めだかやドットコム関係者は今では100名を超える大所帯となり、この『めだかアクアリウム』を、日本アクアリムの代名詞として、いつかは世界に向けて発信したいと思っています。
めだかの飼育の魅力については2004年から海外に発信してきています。
めだかの話し
日本めだかは、昔水田に放たれ害虫駆除のために活躍してきた魚です。英語ではライスフィッシュと呼ばれます。
戦後農薬が台頭すると、めだかの活躍する場所が少なくなり、都市開発における川の汚染にも拍車がかかり、生息数は激減しました。
1999年にはついに環境庁(現環境省)によって絶滅危惧種2類に指定されました。
日本めだかの活躍は田んぼだけなく1994年7月、向井千秋宇宙飛行士と共にスペースシャトル「コロンビア号」で宇宙飛行を行っています。
めだかは脊椎動物として、宇宙で初めて産卵し宇宙飛行中にふ化しました。宇宙での産卵実験を成功させ帰還しためだかは地上では地中に沈みこんでしまいました。
無重力では浮き袋を使わず、胸びれだけで泳ぐ方法に慣れてしまっていたためです。
地上に戻り4日後には地上の環境に順応し正常に泳ぐようになりました。
日本文化そして研究にも大活躍してきたこの日本めだかから、私はアクアリウムだけでなく様々なことを学ばせて頂いています。
めだか飼育は水が命
どの様な水質が、めだかに適しているのでしょうか?
めだかは日本で最小の淡水魚です。本州河川のいたるところでめだかが見られました。都市開発による河川の汚染や農薬台頭により、めだかの生息する場所が次第に少なくなり、ついに1999年環境庁(現環境省)によって絶滅危惧種2類に指定されました。
めだかにとって水質は命そのものです。
めだかやドットコムはめだかの特性を研究したうえで、めだかに合った環境づくりや餌作りを行ってきたため「めだか専門店」として大きな評価を得ています。
水作りにおいては、水田の土の研究から有益バクテリアと栄養豊富な水を科学的に作り上げ、水質実験に於いて原生生物であるミジンコを使い良質な水の可視化に成功し特許を取得しました。
水槽内に自然界と同じように毒素が分解される仕組みを作り上げ「青木式自然浄化水槽」が出来上がりました。
青木式自然浄化水槽は毒素分解によって臭い、水換えが不要で水草の光合成によってエアレーションも必要ない水槽です。
バクテリアの効果
めだか源命液とは?
【好気性バクテリア】
酸素を使って増えるバクテリアの為エアレーションが必須。
【納豆菌・酵母菌・乳酸菌・土着菌】
メダカの糞、餌の食べ残しはアンモニアを生成する酵母菌・乳酸菌は「アンモニア」→「亜硝酸」→「硝酸塩」に分解分解されるときに出る有機物を納豆菌が分解する。
めだか命水液とは?
(土着紅色細菌の一種)
【嫌気性バクテリア】
酸素の無いところ程バクテリアが活躍エアレーションは必要ない。
源命液によって分解された硝酸塩は微弱な毒素ではあるが蓄積されればめだかが一気に死んでしまう事もあります。
さらに硝酸塩は内臓を痛めるので痩せ病を引き起こします。そこで脱窒素細菌である命水液によって窒素まで還元します。
水立ての方法
カルキを抜いた水を用意します。
川の水や、井戸水には雑菌があるので、実は水道水からカルキを抜いた水が最も安全です。
ソイルを2cm程の厚みになる様に敷き、そこに命水液を染み込ませます。
大きな水槽「例えば30リッターの水槽の場合」命水液を染み込ませたソイルの上にさらにソイルを2cm程敷き詰め二層にします。
上の層には源命液をキャップ2杯程染み込ませます。
その後、ソイルの上にビニール等を敷いてその上から水をゆっくり注いでいきます。ソイルが舞うと水に濁りが発生します。
めだかを入れて、即日飼育が可能です。
しかし、水質が安定するまで2週間から1か月程掛かります。
水の管理方法と♂♀
水面の縁をみます。小さな気泡は好気性バクテリアが活躍している証拠です。アンモニアの分解はこの泡によって分かります。
この気泡が見られないときは源命液を30リッターに対してキャップ1杯の割合で投与します。
気泡が見られるときは源命液の投入は不要で、日々命水液のみで問題ありません。赤い矢印の先に小さな泡が見られます。
【オス♂】
背びれに切れ目
尻びれが大きい
【メス♀】
背びれに丸みがある
尻びれが小さい
青木式自然浄化水槽
青木式自然浄化水槽とは、水槽の中で生態系のバランスをとる仕組みのこと。
ソイルに命水液と源命液の二つのバクテリアを使い自然界に近い自然環境を整えます。
まず、めだかを飼育していると糞や餌の食べ残しなどの毒素が発生します。その毒素を科学的に窒素まで還元する消化作用を水槽内で実現します。
還元された窒素は水槽内の水草に吸収され、LEDによって光合成をはじめます。
これを作るためにはある程度の経験が必要です。
バクテリアの量、水草やめだかの数とのバランスが大事です。
私の場合は、めだか以外に状況に応じてミナミヌマエビやヤマトヌマエビも入れ苔などを極力水槽内の生き物に掃除をしてもらいます。
管理方法はいたってシンプル。
餌やりとバクテリアを少量いれるだけ。
これについては、めだかやドットコムスタッフによる設置サービスも行っているのでお問い合わせください。
初心者向け 簡単なめだか飼育方法
飼育水
川の水や井戸の水を使うという方もいますが、雑菌も多く安全とは言いけないので、私はお勧めしていません。
最も安全な水は水道から出てくる水です。
水道水には殺菌のためにカルキ(塩素)が含まれていて、魚には有害なのでカルキを抜かなければなりません。
カルキは紫外線によって分解されます。これを光分解といいます。
紫外線に4時間ほどさらされれば、ほぼカルキは分解されると考えてよいと思います。
念のため長めに光に当たる場所でカルキを抜いてください。
水槽
メダカ飼育において底砂利を何にすればよいかという話がありますが、基本的にPHがアルカリや酸性に極度に傾くようなものでなければ種類は選びませんが、バクテリアの吸着も良く安価なものとして赤玉土がおすすめです。
ちなみに何も敷かなくても飼育は可能です。何も入れない水槽を「ベアタンク」といいます。
ベアタンクは視覚的に綺麗というだけでなく、ゴミ処理も楽というメリットもありますが、バクテリアの棲みつく場所がほぼないので、毎日のように手入れ・水換えを行わなければなりません。
メダカは1匹/1Lが目安となっていますが、めだかの数は少ない方が水質の変化も緩やかで飼育が簡単になります。
数を多く飼育したい場合は水替えの頻度もあがりますし、エアレーション(ブクブク)が必須となります。
生き物ですから光も大事なのでLEDを使うか、使わない場合は太陽の光が差し込むような場所に水槽を設置して下さい。
病気
メダカ飼育で大事なことは病気治療方法ではなく病気予防です。
病気の原因はほぼ水質です。病気にならないような飼育方法を心がけましょう。
水槽立ち上げの際に、塩を入れてあげることで雑菌の繁殖を防ぐことができるので、塩を必ず活用してください。
入れる量は10リッターで1つまみぐらいのイメージで大丈夫です。
水換の度に入れてください。
めだかは汽水域にも生息しているので、塩の影響はありません。
餌
メダカは雑食性であり、どのような餌でも食べます。
めだかやドットコムでは「極の餌」という栄養素や嗜好性を考えた餌を販売しておりますが、ほかの餌でも大丈夫です。
大体1分ぐらいで食べきる量を与えてください。活性の上がる水温の高い春夏は2回、
秋冬は1回ぐらいのイメージで与えてください。
水換え
めだかの放流はやめましょう
めだか専門店として
日本めだかの専門店は全国に存在します。殆どが、養殖場の傍らでめだかの販売と通販がメインとなっています。
めだかのみに特化し駅ビルにお店を構えるのはここ「めだかやドットコム本店」のみです。
また、弊社はめだか生体に特化した「めだか販売店」を八王子駅 南口ロータリー沿いに1店舗。
その先に、メダカアクアリウムのショールーム。
さらに八王子駅から10分ほどの日野駅前には、めだかを眺めながら食事や珈琲が飲める「メダカフェ」を運営しております。
主力商品のバクテリアだけでなく、メダカの嗜好性を考えたメダカ専用餌、さらには抽象的な説明や効果を謳うのではなく、具体的且つ科学性を根拠にめだか飼育方法をお伝えします。
代表の青木は日本めだかの専門家として知られ、代表の知識と経験をこの「めだかやドットコム本店」に落とし込んでいます。店舗デザインにも注目下さい。
日本メダカについては小学校5年生の理科で必修となっています。
小学校への講演会や、その他ボランティアも活動も精力的に行なっていますので、ご希望の方はめだか販売店までお問合せください。
八王子からめだか飼育の楽しさを発信していきます。